2週間に渡ったOC・DC探しですが、ついに今日終止符が打たれました。
OCには、Ryan Grubb
そしてDCには、Aden Durde (元DAL DLコーチ)が就任しました
一応公式も、Ryan Grubb就任のツイートをしています
🍻
— Seattle Seahawks (@Seahawks) 2024年2月10日
このブログではRyan Grubbについて書いていきます。
新DCのAden Durdeさんに関しては、くっぴーさんのブログに経歴などが載っていますので、そちらをご覧ください。
個人的には、Washington大ファン☔️兼シーホークスファンということもあり、夢のような形となりました。
過去のブログ(12月)で、GrubbにOCになって欲しいと、願望で書きましたが、まさかそれが現実になるとは全く思っていませんでした。
1. Ryan Grubbについて
Ryan Grubbは、NFL経験はなく、カレッジフットボールでコーチ経験を積んできました。直近だと、Fresno StateやWashington大で、オフェンシブコーディネーターを務めました。
彼は、2007年から16年間、常にKalen DeBoer(現在 Alabama HC, 元 Washington大 HC)の下で働いてきました。そのため、彼の下以外でOCとなるのは初のことです。
2022年から2年間は、Washington大のOCとして、全米トップクラスのオフェンスを築き上げました。2021年には、全米でも下位に沈んでいたオフェンスをわずか1年で、Top 10に浮上させました。そして、昨年は、全米1位のパスオフェンスを引っ提げて、チームはNational Championshipへと進みました。これは、Ryan Grubbの手腕があってのものです。
そのNational Championship の3日後、Washington 大のHC Kalen DeBoerがAlabamaの新HCになることが発表されました。
Ryan Grubbは、16年間Kalen DeBoerの下にいたので、すぐに一緒に移籍するのかと思われましたが、最後までSeattleに留まる努力をしてくれました。
最終的には、Alabamaへと行くことになりましたが、このSeattleへの愛が、Seahawks OC就任に繋がったことは確かです。
その後2週間後に、Seahawksの新OC候補に浮上し、最有力となりました。
ただ、2日前に、この発言があったことで、一時は残留かという憶測も飛びました。
“I’m Ryan Grubb, I’m your new Offensive Coordinator” - that was Ryan Grubb this afternoon speaking to The Red Elephant Club today at Bryant-Denny Stadium. @AlabamaFTBL #RollTide @jimdunaway pic.twitter.com/ZvKAM6gKAY
— The Next Round (@NextRoundLive) 2024年2月7日
恐らく、これは、前々から予定されていたもので、あくまでも“現時点”でOCであるということを言ったのだと思います。
まあこの場で、「実はこの数日後にSeahawksのOCになります」とは言えないでしょうから、仕方なかったのかもしれません。
そして、今日、GMのシュナイダー、HCのマクドナルドと共に、レントンのレストランで食事をしているところを、ファンに激写されてしまいました。
DRIVE BY pic.twitter.com/071pJ9mffm
— KB (@uwcommentor) 2024年2月10日
ただ、公式もこれを皮肉ったようなツイートをしていたので、予期はしていたのかもしれません。
実は、昨年もAlabama大のOC職のオファーを、Saban直々にされたものの断っていたため。これでAlabamaのOC職を断るのは2年連続2回目になります。
Alabamaのオファーを2度も断ったのは、恐らくこの世で彼1人だと思います。
それほど、Alabamaには行きたくはなかったのでしょう。
2. Grubbのオフェンススタイルについて
彼のスタイルは、単刀直入に言うと、Aggressive です。
いくつか彼のオフェンスのポイントを挙げていきます
・モーションを多用する
Washington running a “Cheetah” Motion Tunnel Screen pic.twitter.com/FiTzyKmrIb
— Coach Dan Casey (@CoachDanCasey) 2024年1月9日
上記ツイートのような、サイドモーションを始めとしたモーションを多用する傾向にあります。もちろん、通常のモーションもありますが、様々なパターンのモーションを使ってきます。Washington大時代は、全スナップの内70%でモーションを利用していたというデータも見たことがあります。ランプレイであっても、ほとんどのスナップでモーションを使っていた記憶があります。
また、Single-Backのフォーメーションでセットしていたところから、Shotganにフォーメーションを変えるといった、セット後のフォーメーション変更も多く使ってきます。
このように、モーションなどによって、相手にプレイを読ませないことや、相手の守備を混乱させることを重視しています。
・スクリーンを多用する
Washington ran the same WR Screen out of Empty against USC twice in their first 3 drives.
— Kendell Hollowell (@KHollowell_) 2023年11月6日
Great way to get Rome Odunze involved in the game early. pic.twitter.com/A8B2kYkUWB
スクリーンはスクリーンといっても、主にWRやTEへのスクリーンがメインです。単純なスクリーンもありますが、レシーバーをモーションさせて、ブロッカーを増やしたスクリーンや、レシーバーをOLとDLの間に走らせるスクリーン(NFLだと、イリーガルメン・ダウンフィールドが厳しいので、NFLでやるのは恐らく難しい)など多彩です。
1試合で、最低でも複数回はしていたので、シーホークスでも多用してくるでしょう。
・パスコースが多彩
SHEESH 🎯 pic.twitter.com/iEyguLFr3j
— Pac-12 Conference (@pac12) 2023年11月19日
Ryan Grubbのオフェンスといえば、やはりパスオフェンスです。多くのパスシチュエーションで、最低でも2人は、ディープルートへ走らしている印象があります。そして、そのルートも、Deep Cross、Go Route、Deep Comebackを軸として、多彩なルールを走らせています。
これで、1番の恩恵を得るのは、Smith-Njigbaでしょう。3番手ということもあり、あまり幅広くルートを走らせてもらえていなかったので、来年はGrubbの下で本領を発揮してくれるでしょう。
ちなみに、Smith-Njigbaは、今週初めに行われた番組で、元OCのShane Waldronについて聞かれた時、かなり言葉に詰まっていて、よく思っていないのがバレてしまいました。
The silence was LOUD when we asked Jaxon Smith-Njigba about new Bears OC Shane Waldron😳 pic.twitter.com/r7beJgxEMq
— CHGO Bears (@CHGO_Bears) 2024年2月7日
恐らく、この発表には、喜んでいることでしょう。
・勝負所でのアグレッシブなコールが冴え渡っている
THE FAKE HANDOFF TO THE REVERSE.
— Sports ON Tap Seattle (@SeattleONTap) 2023年11月26日
WHAT A CALL FOR THE WASHINGTON HUSKIES ON 4TH DOWN pic.twitter.com/Qqbju2ccRK
That Penix ➡️ Odunze connection is too nice 🔥@UW_Football pic.twitter.com/PfaeQDiJdw
— FOX College Football (@CFBONFOX) 2023年11月19日
上記のツイートがその例ですが、勝負所(4th down、Firstdownで勝利)と言った場面では、非常にアグレッシブなコールをしてきます。そのチームで1番武器としているところを活かすようなコールをしてくる印象です。
今までのシーホークスでは、あまり見られなかったようなポイントであると言えます。
・ランとパスのバランスが良い
彼のオフェンスはパス中心ですが、ランもよく織り交ぜてくるスタイルを展開しています。主に、Zone Runを中心としていて、OLのプルアウトやTEのモーションにより、ウィークサイドのランを多く使っています。また、ゴール前では、それらを効果的に使い、外側へのランをすることで、出来るだけフィールドを広く使おうとしています。前任者は、ゴール前のランはWalkerに突っ込ませるしか手がなかったので、私的にはここがどう改善するのかをかなり楽しみにしています。
また、情報によると、Alabamaから、元Washington大 OLコーチのScott Huffを連れてくるとのことで、これは非常に大きな補強となります。昨年のWashington大のOLは、全米1位の称号であるJoe Mooreアワードを獲得していて、オフェンスを陰で支えていた存在です。その立役者がやってくるのは、BrownsのOLコーチとなった前任者のAndy Dickersonの良い後継者となるでしょう。
簡単に挙げると、このようなポイントがありますが、私自身2年間Grubbのオフェンスをファンとして見ていた感想としては、毎試合ワクワクが止まらなかった印象です。
他のコーチ陣に関しては、全員決まったら、その時にまとめて書こうと思います。