HCも決まり、また他のコーチ陣も徐々に決まってきました。
今回は、各ポジション毎の、FAになる選手をまとめつつ、FAやドラフトの展望をしていこうと思います。
ちなみに、現時点(2月17日時点)での来季のシーホークスのCap Space予想は、約 $ -5 M〜10 Mとされています。これは、全体の25位くらいで、少ない方の部類に入ります。
今回用いている金額などのデータは、すべてSpotracというサイトの情報を利用しています。
*FAになる選手で()がない選手は、UFAになる選手です。
*契約が残っている選手で、()内の年数は、残りの契約年数を示しています(Voidなどはカウントせず)
(カットされる予定のまとめ、ドラフト1巡の予想)
1. オフェンス
・QB
残留: Geno Smith (2年)
FA: Drew Lock
Geno Smithは、来年度の$12.7 Mのベースサラリーが全額保証される期限である2月16日を過ぎたため、来年も留まることは確定しました(トレードされる可能性はあるが)。一方で、Drew Lockは、再契約されるかは不透明ですが、Seahawksの首脳陣がドラフトでQBを取る戦略であれば、残る可能性はかなり低くなります。
ドラフトでQBを取るかどうかですが、実際には取る可能性は50-50だと思います。
・RB
残留: Kenneth Walker (2年), Zach Charbonnet (3年), Kenny McIntosh (3年), Bryan Koback (1年/Future)
FA: DeeJay Dallas
メインの2人は、2年以上契約を残しているので、FAやドラフトで大きな動きはしてこないでしょう。
また、FAになるDeeJay Dallasですが、残る可能性は低いと思います。消耗が激しいRBは、ルーキー契約終了後(5年目以降)に成績が上がるケースは稀なため、先発クラス以外のUFAになったRBに対しては、再契約しないことがほとんどです。
そこの空いた枠は、ドラフトでの下位指名や、もしくはFAでベテランを補強すると思います。
・FB
残留: Nick Bellore (1年)
新OCのRyan Grubbは、FBを起用することはないと思われるため、STでの仕事がメインになるでしょう。ただ、キャップが高くなってしまっているので、リリースはなくても、契約の再構築などをする可能性はありそうです。
・WR
残留: Tyler Lockett (2年), DK Metcalf (2年), Jaxon Smith-Njigba (3年+5年目オプション), Dee Eskridge (1年), Drake Young (2年), Jake Bobo (2年), Cody White (1年/Futute), Easop Winston (1年/Future)
今年FAになる選手は、誰もいません。その一方で、リリースされる可能性がある選手は存在します。
1人目は、Tyler Lockettです。今年からキャップヒットの額が一段と増え、今年は$27.8 Mのキャップヒットがあります。今年までの活躍を踏まえると、リリースされる可能性は低いですが、無いとは言い切れません。もしリリースした場合は、約$20 MのDead Capが発生しますが、Post-June/1 指定(Dead Capを2年間に分散させる制度で、1年で2人まで)をすれば、今年のサラリーキャップに約$18 Mの空きを作ることができます。
2人目は、Dee Eskridgeです。契約の残りは1年で、キャップヒットは約$ 1.9 Mのみです。ただ、リリースした際のDead Capは、ほとんどありません。そのため、リリースした時に生まれるCap Spaceは僅かではありますが、リリースする可能性は大きいです。FA前にされなくても、シーズン開幕直前のロースターカットでリリースされるかと思います。
Tyler Lockettをリリースすれば、ドラフトやFAで補強する可能性は高いですが、それをしなければ、ドラフト下位で指名する程度の補強になるでしょう。
・TE
残留: Will Dissly (1年), Tyler Mabry (1年/Future)
FA: Noah Fant, Colby Parkinson, Brady Russell (ERFA)
TE3人衆のうち、Will Disslyのみが来年の契約を残しています。ただ、来年のサラリーが$ 10 Mを越すことを考えると、リリースされる可能性は高いと思います。
Noah Fantは、シーホークスに来てから、使われる機会が少なかったことで成績が伸びず、本来の活躍ができていません。そのため、再契約の可能性は否定できませんが、他チームに行った方が彼のためになると思います。Colby Parkinsonは、DisslyやFantが2人ともいなくなることを考えると、再契約する可能性が高いと思います。恐らく他のチームからのオファーが少ないと予想されるため、安い金額で抑えられると思います。
FAで補強するかは、Disslyをリリースするかなどによっても変わってきますが、ドラフトでTEを指名することはほぼ確実かなと思います。
・OT
残留: Charles Cross (2年+5年目オプション), Abraham Lucas (2年), Stone Forsythe (1年)
FA: Jason Peters, Jake Curhan (ERFA)
ここに関しては、昨年同様大きな動きはないと思います。
ERFAになるJake Curhanですが、恐らく再契約すると思われます。
・IOL
残留: Anthony Bradford (3年), Olusegun Oluwatimi (3年)
FA: Phil Haynes, Evan Brown, Damien Lewis
今年の開幕先発の3人は、全員UFAとなります。ただ、Anthony BradfordとOlusegun Oluwatimiの2人が、来年の先発になることも十分考えられます。まだまだ課題があるものの、競わせる相手を置くなどすれば、先発として計算できると思います。
Damien Lewisは、今季でUFAになりますが、再契約する可能性はあると思います。ただ、大金を積んでまで残すことは考えづらいので、他チームの動向などにもよるでしょう。一方で、Phil Haynesとは、再契約することはないでしょう。また、Evan Brownも、再契約をする可能性は低いとは思いますが、控えとしての役割を受け入れるのであれば、Oluwatimiの競争相手として残ることも考え得ると思います。
また、ドラフトで補強する可能性もありそうです。Cを指名する可能性はかなり低いですが、Day 2までの高い順位でOGを指名することは十分に考えられます。
2. ディフェンス・ST
・DL
残留: Dre'Mont Jones (2年), Jarran Reed (1年), Bryan Mone (1年), Cameron Young (3年), Mike Morris (3年), La'Trell Bumphus (2年/Future), Levi Bell (1年/Future), Matthew Gottel (1年/Future)
FA: Leonard Williams, Mario Edwards, Myles Adams (ERFA), Joshua Onujiogu (ERFA)
Dre'Mont Jonesは、2月16日に来年度のサラリーが全額保証される期限を迎えます。そのため、リリースしたければ、それまでにしなければいけないので、可能性は低いです。一方、Bryan Moneは、リリースした際のDead Capはわずか$0.5 Mであり、また約$5.4 Mのキャップスペースを作ることができるため、リリースされる可能性が非常に高いです。
Leonard Williamsは、今年FAになる選手の中で、1番再契約をして欲しい選手です。かなり高くなることが予想されますが、Macdonaldも好きなタイプの選手なので、再契約に動くと思います。
また、ERFAになる2人は、おそらく再契約すると思います。一方で、Mario Edwardsは、シーズン後半はほとんど出場機会を得られなかったので、再契約しないと思います
・EDGE
残留: Uchenna Nwosu (3年), Boye Mafe (2年), Derrick Hall (3年)
FA: Darrell Taylor (RFA)
Edgeは、先発2人が2年以上契約が残っている状況なので、大きく動いてくることはないでしょう。ただ、ローテーションが物足りないため、ドラフトで再び上位指名する可能性もあります。もしかすると、1巡を使ってくることもあるかと思います。
RFAになるDarrell Taylorですが、額の低いテンダーであれば残る可能性がありそうです。ただ、何もテンダーされずに、そのままFAになる可能性も高いです。
・ILB
残留: Drake Thomas (2年)
FA: Bobby Wagner, Devin Bush, Jodyn Brooks, Jon Rhattigan (RFA), Patrick O'Connell (ERFA)
Drake Thomasは、先発級のLBではないため、現状先発が全員FAとなり、ロースターにいないという状況です。
Bobby Wagnerが残るかどうかは、50%ぐらいと言えるでしょう。Macdonaldのディフェンスにはフィットすると思いますが、どのくらい額を出せるかというところがキーになると思います。他チームでも欲しいところは一定数あると思うので、FAが始まってしまうと、他チームに移籍する可能性が大きくなってしまいそうです。
一方で、Jordyn Brooksは、残る可能性が低いと思います。Wagnerを再契約しないのであれば、残る可能性はありますが、MacdonaldがRavensからPatrick Queenを連れてくると思うので、そうなれば同じILBのBrooksを残すことは考えづらいです。
Devin Bushが再契約をすることはないと思います。Jon Rhattiganは、RFAで再契約するには見合いませんが、ミニマムの契約で良いのであれば再契約するでしょう。
・CB
残留: Devon Witherspoon (3年+5年目オプション), Tre Brown (1年), Tariq Woolen (2年), Andrew Whitaker (1年/Future), Lance Boykin (1年/Future)
FA: Artie Burns, Michael Jackson (RFA)
先発3人はルーキー契約中なので、サラリーが安く抑えられています。ただ、外側のCBのデプスが不安なので、RFAとなるMichael Jacksonには、低い額のテンダーをする可能性は高いです。
・S
残留: Jamal Adams (2年), Quandle Diggs (1年), Julian Love (1年), Coby Bryant (2年), Jerrick Reed II (3年)
FA: Ty Okada (ERFA)
Jamal AdamsとQuandle Diggsは、リリースされる可能性が高いです。Adamsは単純にパフォーマンスの関係ですが、Diggsは、サラリーキャップの関係です。2人合計で約$48 Mのキャップヒットとなるため、リリースは不可避です。
逆に、Julian Loveは、今オフ中に契約延長をすべきでしょう。Loveも今季は約$ 8Mのキャップヒットがあるため、契約延長をすれば、多少減らすことができるでしょう。
Diggsをリリースした場合は、FAでの補強があるでしょう。有力なのは、今年 7 INTsを記録したRavensのGeno Stoneです、
・ST
残留: Jason Myers (3年), Michael Dickson (2年), Chris Stooll (2年)
3. まとめ
ここまでに書いたリリース候補をまとめます
*(リリース時に空くキャップの額/ Post June-1 を使った場合)
WR Tyler Lockett ($ 8.1 M/ $ 18.0 M)
WR Dee Eskridge ($ 1.5 M)
TE Will Dissly ($ 7.0 M)
DT Bryan Mone ($ 5.4 M)
S Jamal Adams ($ 6.1 M/ $ 16.5 M)
S Quandle Diggs ($ 11.0 M)
現在の状況では、サラリーキャップの空きがあまりないため、このような動きをしてくる可能性が高いです。
また、1巡全体16位の指名候補を挙げます。
まず、ポジションとしては、QB, OG, EDGE,DTが有力です。
QBで言うと、やはりワシントン大のMichael Penix Jr. が可能性としては高いと思います。他には、オレゴン大のBo Nixや、ミシガン大のJ.J. McCarthyが挙げられます。ただ、ここは、NFLコンバインでの各選手の出来や、QBを取りたいチームの動向次第で大きく変動してくるので、まだ分かりません。
OGで言うと、ワシントン大のTroy Fautanuが候補です。OTがメインですが、OGの経験もあります。彼が現時点で、唯一のOGの1巡指名候補です。
EDGEで言うと、フロリダ州立大のJared Verseや、ワシントン大のBralen Triceが候補です。今年はEDGEが豊作な年なので、他にも多くの候補がいます。
DTで言うと、イリノイ大のJer'Zhan Newtonや、テキサス大のByron Murphyが候補です。ただ、Leonard Williamsを再契約したならば、1巡を使うことはないでしょう。
現状 EDGE > QB > OG > DT の順番で指名する可能性が高いと思います。