Seahawks 2023シーズン振り返り Part 1 (Offenseなど)

 

 

シーホークスのシーズンが終了したということで、シーズンの振り返りをしていきます。

 

今回は、まずはオフェンスとコーチ陣です。

 

来年度の契約やFAなどについては、2月に入ってからまた詳しく書く予定なので、今回の振り返りでは軽く触れる程度に留めます。

 

 

 

 

 

 

 

 

1. コーチ陣及び上層部

 

GM John Schneider

 

昨年に引き続いて、素晴らしいドラフトピックを決めました。また、シーズン中に行ったWilliamsのトレードも良い動きであったと言えるでしょう。

 

 

HC Pete Carroll

現地10日の水曜日に、引退を発表しました。今シーズンは、昨年に引き続き9勝8敗でしたが、プレイオフには2年ぶりに出場できませんでした。Pete Carroll eraでプレイオフに進出できなかったのは、14年間で4回目のことです。また、得失点差は-38と、就任初年度の2010年以来のマイナスになってしまいました。ちなみに、今シーズンのチャレンジは、6回中3回成功と50%の成功率でした。

来年度はアドバイザーとして、チームには残るとのことです。お疲れ様でした。

 

 

OC Shane Waldron

 

3年目のシーズンでしたが、就任してからの3年間では最低のオフェンスになりました。特にランオフェンスが全く機能しませんでした。本来専門外のDKとLockett、JSNの3人を活かすオフェンスを目指したものの、パス比重だけが先行したことで、オフェンスのバランスが崩れ停滞の原因を作ってしまいました。ラン割合は僅か36%で26位ということが、過剰なパス比重を物語っています。

チームからは全コーチ陣に、自由に他チームと契約して良いという指令が出ているとのことなので、人気なWaldronは、他チームに引き抜かれるかと思います。

 

*追記 BearsのOC職のインタビューのリクエストを受けたとのことです。Bearsの目指しているオフェンススタイルを考えると、かなりフィットしそうなチームと言えそうです。

 

 

DC Clint Hurtt

 

2年目のシーズンでしたが、昨年よりも悪い結果になってしまいました。というかスタッツだけでいうと、シーホークス史上ワーストクラスに悪い結果でした。他にも要素はいくつかありますが、戦力的には昨年よりもそろっていたものの、スタッツが悪くなってしまったという点では、責任は大きいと思います。

少なくとも戦術面では大きな変化を必要としているので、変わることになるかと思います。

 

 

 

2. オフェンス陣

 

・QB

7 Geno Smith 64.7%, 3624 yds, 20 TDs, 9 INTs, 5 winning drive(4Q 2mins, OT)

全体的に昨年よりもスタッツが下がってしまいました。ただ、Genoのプレイは、良い意味でも悪い意味でも昨年とあまり変わっていないという風に感じました。実際にPFFのスコアやEPAでは、QBの中で10位あたりでした。特に、プレッシャー率が非常に高い中でもサック率が僅か6%と、ポケット内での動きが非常に良かったです。また、ラスト2 mins及びOTで逆転ドライブを決めた回数は5回(昨年は2回)と、リーグ単独1位でした。

来年ドラフトでQBを取るかどうかに関わらず、Genoが来季の先発であることはほぼ確定だと思います。

 

 

2 Drew Lock 63.2%, 543 yds, 3 TDs, 3 INTs, 1 winning drive

今季は、4試合に出場し、そのうち2試合に先発出場しました。昨シーズンは全く出場しなかったため、2021年シーズンのWeek 18以来の2年ぶりの出場となりました。Week 15のEagles戦での逆転ドライブは、今季のシーホークスのNo.1ドライブだったと思います。先発レベルではないものの、控えとしては十分な活躍だったと思います。

残留するかは分かりませんが、ドラフトでQBを取らないのであれば、残留もあり得るかと思います。

 

 

 

・RB

9 Kenneth Walker III 905 rush yds, 4.13 ypc, 8 rush TDs, 29 catches, 259 rec yds, 1 rec TDs

怪我で欠場した影響もありましたが、2年連続1000yds達成とはなりませんでした。特に、平均ヤードが昨年より0.5 yds程度落ちてしまいました。2年目になり対策されたこともあるかと思いますが、OLの怪我による影響やビックゲインの減少もあったと思います。シーズン後半になり、Walkerに頼ることが増えていきました。Walkerに頼りすぎないオフェンスを目指していただけに、これはWaldronの限界を見せてしまったと考えています。

来季は負担が減っていけば、再び1000 ydsシーズンも十分達成できると思います。

 

 

26 Zach Charbonnet 462 rush yds, 4.28 ypc, 1 rush TDs, 33 recs, 209 rec yds

2番手RBとしては、十分な活躍を見せたと思います。Walkerの負担を軽減する存在として、主に3rd down backとしての起用が多かったでしたが、Walkerよりスナップ数が多い試合もありました。先発となると若干不安も残りますが、インパクトのあるプレイも多く、Walkerとのワンツーパンチがハマれば、かなり脅威となると思います。

 

 

31 DeeJay Dallas  36 rush yards, 3.60 ypc, 6 recs, 26 rec yds, 10.6 ave punt return yds, 25.9 ave ko return yds

 

今季は、リターナーとしてのプレイが主となりました。シーズン前半は、3rd down backとしての起用もありましたが、Zachの信頼が厚くなっていくと、徐々に出番を失っていきました。ただ、リターナーとしては、かなり良い働きだったと思います。ファンブルが2回あった以外は、リターン平均ヤードもリーグでトップクラスなど、安定していました。

シーホークスは、スタータークラス以外のRBを再契約する事はほとんどないので、おそらくFAになると思います。

 

 

25 Kenny McIntosh

 

ルーキーシーズンでしたが、出場はSTのみとなりました。序盤は怪我でIRに入っていましたが、IRを抜けてもInactiiveになることが多く、ActiveになってもSTだけの出場でした。Preseason前のMock Gameで怪我をしてしまったため、まだスタッツが一つも残せていません。

レーニングキャンプでの評価は非常に高かったので期待していますが、来季はロースター争いからのスタートになるかと思います。

 

 

 

・WR

14 DK Metcalf  119 targets, 66 recs, 1114 rec yds, 8 rec TDs

今季も2年連続で1000 ydsレシーブを達成しました。ただ、パスの成功率は、キャリアワーストの55%とかなり低い数字です。ここが、Genoのパス成功率を落とした1つのポイントとも言えると思います。特に、CBとの競り合い中のキャッチで落としたりするケースが多かったです。ただ、勝負どころでの良いキャッチもいくつかあり、チームが助かっていたことも事実です。

 

 

16 Tyler Lockett  122 targets, 79 recs, 894 rec yds, 5 rec TDs

今年で、4年間続いてきた1000 ydsレシーブが途切れてしまいました。特に、ディープでの起用が滅法なくなってしまいました。これは、使い方の問題もありますが、年による衰えであまりセパレーションを取れなくなったことが大きいと思います。身長が小さいため、セパレーションを取れないと投げ込めるパスの範囲がかなり狭まってしまいます。Wilsonの時だとあまりセパレーションを取れていなくても、正確なパスを決めることができましたが、Genoの力ではなかなか厳しい状況です。

JSNも台頭してきたため、来季以降も今年のような使い方が継続されていくと思います。

 

 

11 Jaxon Smith-Njigba  93 targets, 63 recs, 628 rec yds, 4 rec TDs

ルーキーシーズンで、まずまずの結果を残せたと思います。シーズン当初は、使い方が悪く結果が伸びませんでしたが、Bye明けからは、使い方が見直され3番手として十分な活躍をしました。シーズン後半になるにつれて、徐々に信頼を勝ち取っていき、重要な場面で投げられることが多くなっていきました。

来季は新しいOC次第ですが、より使われる場面が増えていくのではないかと思っています。

 

 

19 Jake Bobo  25 targets, 19 recs, 196 rec yds, 2 rec TDs, 1 rush TDs

Undraftからロースターに残り、4番手レシーバーとして起用されました。レシーブのスタッツもさることながら、ランブロックでの貢献も非常に大きかったです。現地に行って感じましたが、チーム内やファンからの人気もかなり高いです。

 

 

83 Dareke Young

 

今シーズンは、出場はあったものの、スタッツは残せませんでした。怪我でシーズン前半を休んだことで、チャンスを失ってしまいました。

 

 

1 Dee Eskridge  1 target, 0 rec, 2 rushes, 5 rush yds

今シーズンも3年連続でIR行きとなってしまいました。来シーズンのプレシーズンで結果を残せないと、おそらく来年のロースターには残れないでしょう。

 

 

 

・TE

87 Noah Fant  43 targets, 32 recs, 414 rec yds, 0 rec TDs

 

今シーズンは、昨シーズンに引き続き、キャリアワーストを更新する形となってしまいました。これは、シーズン中盤にWaldronのオフェンススタイルが変わり、TEを全く使わない時期があった影響です。また、もともとエンドゾーンで強いタイプではないですが、キャリアで初めてタッチダウンがありませんでした。

本来はこの成績で終わるような選手ではないので、OCが変わりFAとなるこのタイミングで、移籍する方がより活躍できると思います。

 

 

84 Colby Parkinson  34 targets, 25 recs, 247 rec yds, 2 rec TDs

昨年より出場機会を増やしましたが、スタッツは昨年とほぼ同じになりました。ただ、昨年よりも成長していて、チーム内での序列も上がってきています。パスシチュエーションで使われることが多く、3rd downでも使われるようになりました。

FAになりますが、残るかどうかは新OC次第でしょう。

 

 

89 Will Dissly  25 targets, 17 recs, 179 rec yds, 1 rec TDs

 

昨年よりも、出番や目立つシーンがかなり減ってしまいました。もともと大怪我を2回してからは、プレイする機会が制限されていましたが、今年はその中でもより出場する回数が落ちてしまったように感じます。

来年は、Disslyのキャップがかなり大きくなることから、それに見合っていないと判断されれば、カットもあり得るかと思います。

 

 

38 Brady Russell

 

シーズン途中に加入しましたが、試合にはあまり出場しませんでした。長髪が特徴的です。

 

 

 

・C

63 Evan Brown 16 games start, 16 games played

 

今シーズンFAで1年契約の加入でしたが、十分先発の役割は果たしたと思います。シーズンを通して怪我をしていたものの、それを押し通してプレイし続けていました。

ただ、Long-termでのスターターではないので、ルーキーのOluwatimiで十分計算できるのであれば、再契約はないと思います。

 

 

51 Olusegun Oluwatimi  1 game start, 16 games played

 

Brownが怪我をした際に、数試合Cとしてプレイしていました。その際のプレイは悪くはなかったですが、フルタイムでの先発レベルまでは到達していない印象でした。

 

 

 

・OG

68 Damien Lewis  16 games start, 16 games played

 

持ち前のランプロのうまさは健在で、またパスプロも年々向上してきています。スタッツでも、ホールディングは僅か1回で、被サックも前年と同じです。特に、Eagles戦のDKへのディープパスが決まったプレイで、Jalen Carterを投げ飛ばしていたのは印象的でした。

周りの若手も成長してきているものの、再契約は是非してほしいです。

 

 

75 Anthony Bradford 10 games start, 14 games played

 

ルーキーシーズンでは先発は期待されてはいなかったものの、先発の怪我などで最終的には10試合に先発しました。後半戦は、ほぼフル出場でしたが、十分先発としては責務を果たしたと思います。多少やられるシーンも目立ちましたが、4巡ルーキーであることを考えれば、仕方ないことです。

おそらく来季は、開幕から先発として起用されることになるかと思います。

 

 

60 Phil Haynes  8 games start, 8 games played

 

開幕から先発として起用されていましたが、シーズン中盤に怪我でシーズンエンドとなってしまいました。パフォーマンスもそれほど高くなく、反則や被サック数は、スナップ数が多いLewisやBradfordよりも多くなっています。

今シーズンもルーキーを育てる間の繋ぎの1年契約であったため、再契約はおそらくないと思います。

 

 

・OT

67 Charles Cross  14 games start, 14 games played

 

ルーキーシーズンと同じようなパフォーマンスの出来だったと言えると思います。フォルススタートの反則やルーキーらしいミスは無くなったものの、プレイ自体はあまり変わらなかったと思います。先発としては十分ですが、トップクラスのラインマンに成長する事はなさそうです。

 

 

72 Abraham Lucas  6 games start, 6 games played

 

Week 1 におった怪我の影響などで、シーズンで11試合を欠場する形になりました。パフォーマンスとしては、かなり良かっただけに、怪我でシーズンの半分以上を欠場せざる得なかったのが痛まれます。All-Proレベルのプレイをしている試合もあったので、来シーズン以降の期待は高いです。

 

 

78 Stone Forsythe  8 games start, 17 games played

 

シーホークスのOL陣で、唯一全試合出場した選手となりました。主にシーズン前半はCrossの代役でLT、中盤以降はLucasの代役でRTを務めていました。2021年の7巡であったことを考えると、十分頼りになる選手に成長したと思います。

 

 

74 Jake Curhan  4 games start, 10 games played

 

Lucasの代役として、Week 2からRTとして4試合先発を務めました。そのWeek 2のLions戦では、Hutchinsonを完封するという素晴らしい働きで、見事勝利の立役者とも言える活躍を見せました。ただ、その後はパフォーマンスが安定せず、Week 7からは先発を下されてしまいました。そして、Week 10終了後には、PSに送られてしまいました。

 

 

70 Jason Peters  2 games start, 8 games played

 

シーズン途中に加入すると、1ヶ月近くの調整期間を経て、2試合に先発しました。主にLucasが戻って来るまでの間、RTとしてプレイしていました。41歳ながらも、悪くはないパフォーマンスだったと思います。

 

 

 

3. 新HCなどについて

ここからは、少し話が変わりますが、新HCについての話になります。

 

現時点で、トップの候補に上がっているのが、現DALのDCであるDan Quinnです。彼は、スーパーボウルに2年連続で出場した2013年から2014年にかけて、シーホークスのDCとして働いていました。その後、ATLのHCとなり、スーパーボウルにHCとしても出場しています。

シュナイダーやキャロルとの繋がりも深く、オファーをすれば受ける可能性は高いと思います。

 

また、他の候補としては、現BALのDCであるMike McDonaldや、元TENのHCであったMike Vrabelなどが挙げられています。現Michigan大HCのJim Harbaughや、現DETのOCであるBen Johnsonなども候補として名前が出ていますが、可能性は低いでしょう。

 

個人的には、現TBのOCを務めているDave Canalesも候補に入っているのではないかと思います。昨年まで、シーホークスのQB Coachを務めていて、関係性も深いです。ただ、OC経験も僅か1年ということもあり、HCでなくOCであれば可能性は高いかと思います。