今日、ついにシーホークスの新HCが、Boltimore Ravens DCのMike Macdonaldに決まりました。
当初から大本命だったので、新HC交渉は成功したと言えるでしょう。
個人的には、これ以上ない結果だと思います。
It's official.
— Seattle Seahawks (@Seahawks) 2024年2月1日
We've named Mike Macdonald as our head coach!
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Welcome home, Coach! 🏡 pic.twitter.com/T3MRslmYJG
— Seattle Seahawks (@Seahawks) 2024年2月1日
1. Mike Macdonaldについて
年度 |
所属 |
役職 |
2010〜2013 |
Defense Quality Control Assitant |
|
2014 |
Ravens |
Coach Intern |
2015〜2016 |
〃 |
Defenive Assistant |
2017 |
〃 |
DB Coach |
2018〜2020 |
〃 |
LB Coach |
2021 |
Michigan大 |
DC |
2022〜2023 |
Ravens |
DC |
2024〜(現在) |
Seahawks |
HC |
経歴を簡単にまとめると、上図のようになります。
現在36歳です! 現HCの中で最年少です (1987年6月26日生まれ)
高校時代は、アメフトと野球の両方をやっていましたが、4年生の時の怪我で引退しました(怪我をしていなかったとしても、大学に奨学金で進める程の選手ではなかったそうです)。
大学は、Georgia大で、経済学部を首席で卒業する超優秀な生徒でした。その後は、スポーツマネージメントを学ぶために、大学院に進学しながら、Georgia大のコーチに就任しています。Georgia大時代の同僚のコーチも「非常に賢く、何に対してもコミュニケーションを取ることができ、1年目からその素質を見せていた」と絶賛しています。
MacdonaldがRavensのコーチとなってからは、2015年を除いて平均失点は毎年一桁順位で、平均喪失ヤードは12位以下をキープしています。
その後、2021年にMichigan大のDCに就任し、その前年125チーム中95位だったディフェンスを、8位まで建て直し、CFP出場に貢献しました。また、ドラフトでも、Aidan HutchinsonとDexton Hillの2人の1巡指名を輩出しました。その一方で、MacdonaldのいないRavensディフェンスは、平均失点19位、平均喪失ヤード25位まで急落してしまいました。
翌年の2022年から、再びRavensに復帰し、DCに就任すると、ディフェンスのスタッツが軒並み一桁順位に戻りました。そして、今シーズンは、平均失点リーグ1位、平均喪失ヤードは6位となりました。
NFLでのコーチ経験は、僅か9年(大学を入れても14年)ですが、十分結果を残してると言えます。
2. 今後の展望
恐らく、DCは、Ravensの中から誰か連れてくると思われます。個人的には、RavensでHC補佐を務めているAnthony Weaverが有力かなと思います。彼は他のチームからもDCのオファーを受けていますが、同僚のMacdonaldからのオファーであれば、受けると思います。
ただ、実際にプレイコールをするのは、DCが誰になろうが、Macdonald自らすることになると思います。
その一方で、OCが誰になるのかは見当がつきません。Ravensから連れてくるのであれば、TexansでOC経験のあるGeorge Godseyか、WR CoachのGreg Lewisが有力かなと思います。
Seahawksに今年まで在籍していたコーチで言うと、自由に他チームと契約していいと通告されているので可能性は低いですが、いくつかのチームのインタビューを受けたAndy Dickersonは可能性はあると思います。
あくまでも私が考えた候補なので、これ以外の選択が行われる可能性の方が高いと思います。
今年のRavensはNFC西地区に対しては4勝0敗で、特に49ers戦ではPurdyから4 INTsを奪うなど、相性の良さを見せました。また、PlayoffのChiefs戦では、前半は苦労しましたが、ハーフタイムでアジャストすると、後半は0点に抑えました。
シーホークスは、ここ2年で対シャナハンは0勝5敗で、今年は対シャナハンと対マクベイ合わせて0勝4敗と、かなり苦労してきたので、Macdonaldがこれを止めてくれることを願っています。対49ersはここ2年間が顕著なだけですが、対Ramsは、マクベイ時代が通算5勝10敗、ここ10年間でシリーズをスイープできたのはたった1回だけです。
ただ、シャナハンのツリーに対しては、Macdonaldは相性が良く、期待ができるポイントです。
そして、今後のオフシーズンはどう動いていくのかということが、気になるポイントです。
Ravensのディフェンスから今オフFAになる選手を取ってくるとなると、今年Pro Bowlに選ばれたILBのPatrick Queenや、同じく今年Pro Bowlに選出され、7INTを奪ったSのGeno Stoneは候補に入ってくると思います。
彼らは、恐らくRavensが引き止める可能性は低いと見られていて、シーホークスが獲得する有力候補になるのは確実です。
また、2月16日に、Geno Smithの2024年の契約の内、$12.7 Mのベースサラリーが保証される期限を迎えます。この日を過ぎると、来年のサラリーが全額保証されることになります。可能性は少ないですが、MacdonaldがGenoを来年の先発として考えていないのであれば、この日までにカットするか、契約を変えなくてはいけません。逆に、この日までに何も動かなければ、Genoが来年の先発と言ってもいいでしょう(少なくとも、チームには残るのは確定です)。
最年長から最年少になったことで、チームの方針も変わりそうです。ただ、Macdonaldもサイドラインでは情熱的なので、シュナイダーが言っていたPostive Cultureは、引き継がれていきそうです。また、規律を重視するよりも、選手の自主性を重んじる方のタイプだと思うので、チーム内の雰囲気はあまり変わらないのではないかと思っています。