まだ試合まで1週間以上ありますが、CFPのプレビューをしていきます。
まずは、1位Michigan対 4位AlabamaのRose Bowlです。
時間: 1/2(火) 7:00 〜(現地1/1 17:00 ET, 14:00 PT)
会場: Rose Bowl🌹, Pasadena, California
放送(🇺🇸): ESPN, ESPN+ (Chris Fowler, Kirk Herbstreit, Holly Rose, Laura Rutledge)
放送(🇯🇵): 日テレG+
1. Michigan Wolverines
↑シーズン前のプレビューです
Michiganは、3年連続3回目のCFP出場となります。今回出場している4チームで、唯一の昨年度の出場校です。ここ2年は、CFPには出場しているものの、どちらも準決勝で敗退してしまっているので、今年こそは決勝に進みたいところです。
今年は、13勝0敗と無敗で、ワンポゼッション以内の試合が2試合のみという完璧なシーズンを過ごしています。懸念材料としては、対戦したランク校がPenn StateとOhio Stateだけであるため、無敗は今年のスケジュールに助けられているとも言うことができてしまいます。ただ、全勝かつOhio Stateに勝ったということだけでも、CFPに進出する理由としては十分だとも言えます。
今年のMichiganは、何といってもディフェンスが非常に強固です。13試合中9試合を失点10点以下に抑えていて、また完封した試合も2試合あります(そのうち1試合は、FBS126チーム中126位のオフェンス相手ですが...)。
スタッツでは、
失点 全米1位(1試合あたり9.5点)
被ランヤード 全米6位(平均87.1ヤード)
被パスヤード 全米2位(平均152.6ヤード)
被トータルヤード 全米2位(平均239.7ヤード)
一方のオフェンスは、ラン中心のオフェンスです。これを支えているのは、強靭なオフェンスラインで、Big TenではNo.1、また全米でもトップクラスの布陣です。破壊力はあまり無いですが、リスクを侵さず堅実に進むオフェンスです。
・注目選手(5人)
QB JJ McCarthy 9
〽️ 21/27
— Big Ten Football (@B1Gfootball) 2023年10月22日
〽️ 77.8%
〽️ 4 TD
〽️ 0 INT
Watch each of J.J. McCarthy's career-high 4 TD passes. ⤵️@jjmccarthy09 x @UMichFootball pic.twitter.com/g2HfIjl4pW
今年のドラフトでは、Day 1もしくはDay 2で指名が期待されているQBの1人です。判断力が高く、リスクを侵さず着実に進めていくタイプのQBです。また、機動力が高く、自らスクランブルしていくことも多いです。ただ、プレッシャーのかかる場面でのプレイ機会が少なく、CFPという大一番で力を発揮できるのかが鍵になります。
RB Blake Corum 2
Michigan大のエースRBで、今季は24 TD!!をあげています。毎試合1 TD以上を記録していて、11月以降は5試合連続で複数TDをしています。今年は、昨年の終盤に負った怪我の影響があったのかは分かりませんが、昨年よりもトータルヤードや一回あたりのヤードは低下しています。また、パスキャッチはあまり得意ではなく、そこは主に2番手のDonovan Edwardsが担っています(2番手ですが、来年のドラフトでは3巡指名候補という評価です)。
TE Colston Loveland 18
J.J. McCarthy is making it look easy 🎯
— FOX College Football (@CFBONFOX) 2023年10月14日
He connects with Colston Loveland for a 54-yard @UMichFootball TD 🔥 pic.twitter.com/uzKXqumFXQ
チームのNo.1ターゲットともいえる選手です。獲得レシーブヤードは、エースWRのRoman Wilsonにつぎ2位の572 ydsです。
CB Will Johnson 2
このチームのディフェンスの要とも言える選手です。昨年はTrue Frshmanながらも先発起用され、CFPも経験しています。今年は、3 INTを挙げるなど活躍していて、その内一つは、カレッジNo.1レシーバーのMarvin Harrison Jr.とのマッチアップでのものです。
CB Mike Sainristil 0
Wow. Mike Sainristil was standing directly where Katin Houser threw the ball.
— Colston Connoisseur (@UMvsEveryone) 2023年10月24日
Did he know where the ball was coming ahead of time? 🧐 pic.twitter.com/JYV6nvAMJQ
今年のカレッジで最も評価の高いSlot CBの1人と言っても良い選手です。今季は、4INTを記録していて、その内2つはPick 6です。彼は、FreshmanとSophomore 時代はWRとしてプレイしていて、そこからCBに転向している選手です。
2. Alabama Crimson Tide
Alabamaは、2年ぶり8回目のCFP出場となります。10年間で8回の出場ということなので、もちろん最多出場です。過去7回中6回は、決勝まで進んでいますが、半分の3回の優勝に留まっています(それでも十分凄いですが...)。また、CFPに出れなかった2年間でさえ、どちらもNew York 6 Bowlには出場しています(Tuaが怪我してしまった年と、ランキング5位で惜しくも出れなかった昨年の2年間)。
今年のAlabamaは、ここ10年間で一番弱いと予想されていて、実際にシーズン前半はかなり苦労していました。しかし、シーズンが進んでいくにつれて、徐々にリズムを取り戻していきました。そして、ランキング8位で迎えたSEC Championshipで、2年間無敗のGeorgiaに勝利し、見事滑り込みでCFP出場を獲得しました。無敗のFlorida Stateを差し置いて出場を決めたことには、SECへの忖度であると批判が集まりましたが、CFPに出場するだけの力を持っていることには変わりありません。
Alabamaの強みは、ディフェンスだと思います。シーズン前半の苦しい時でもディフェンスが何とか踏ん張っている試合が多かったです(負けたTexas戦は、ディフェンスが崩壊してしまっていた)。全体的に安定していて、DL陣やDB陣など、どこのポジションも良いメンバーが揃っています。
一方のオフェンスは、悪くはないものの、決して良いという訳ではありません。ランオフェンスは、強力なOLやQBのMilroeを活かして、安定してランが出ている印象ですが、パスオフェンスは、去年に引き続きなかなか安定していません。レシーバー陣の層が薄く、メインとなるターゲットがいないのが問題です。
・注目選手(5人)
QB Jalen Milroe 4
NFLドラフトで全体1位指名されたBryce Youngに代わって、今シーズンから先発に指名されています。今年のシーズン序盤は、パフォーマンスが上がらず、先発を降ろされることもあるなど、不安定なパフォーマンスでした。しかし、10月に入ってからは、パフォーマンスが安定し、最終的にはHeisman賞で6位になるなど結果を残しました。彼は、ラッシング能力が高いことが魅力で非常に高い身体能力を持っています。また、判断力も高く、シーズン後半になるにつれて、ミスが徐々に減っていきました。ただ、ターゲットが見つからないと、持ち過ぎてサックを喰らうシーンも多く見受けられます。
WR Isaiah Bond 17
Jalen Milroe ➡️ Isaiah Bond
— 247Sports (@247Sports) 2023年11月26日
ALABAMA SCORES ON 4TH AND GOAL FROM THE 31-YARD LINE WITH 32 SECONDS TO PLAY pic.twitter.com/xMEmIWAZKl
Alabamaの先発レシーバー陣の1人で、レシーブ回数はその中でもトップです。体格が小さいこともあり、Red Zoneではほとんど使われていませんが、フィールド中央ではMilroeのホットターゲットになっています。特に印象的なプレイとしては、Auburn戦の決まらなければCFP出場の可能性が消えてしまうという非常にプレッシャーがかかった場面(4Q残り30秒 4点ビハインドで4th down 31)での、スーパーキャッチがあげられます。
EDGE Dallas Turner 15
来年のドラフトでも上位指名が期待されるパスラッシャーの1人です。今季は、9サックを挙げていて、重要な場面でサックを決めている印象があります。また、ランストップの能力も高く、万能なラッシャーです。
CB Terrion Arnold 3
今季既に、5INTを獲得しているボールホーク型のCBです。来年のドラフトでTop 10指名候補にも上がっているKool-Aid McKinstryの逆側ということもあり狙われることが多いですが、その中でしっかりと結果を残しています。また、ソロタックルが38個(トータルで61個)とタックル能力も高いです。
S Caleb Downs 2
彼は、今年の5⭐️のTrue Freshman(1年生)ですが、初戦からいきなり先発起用されています。彼は、タックルをする機会が多く、タックル数はソロタックルが64個(トータル99個)と、チーム内でも飛び抜けて多いです。まさに、1年生ながらもディフェンスの中で欠かせない存在となっています。
3. 展望&予想
・Michigan Offense vs Alabama Defense
鍵となるのは、QB McCarthyが終盤のプレッシャーが掛かる場面で、本来の力を発揮できるかというところです。昨年のTCU戦のようなプレッシャーのかかる試合や場面でのプレイ機会が少なく、まだ未知数な部分です。また、Michiganは、おそらく昨年のようにトリックプレイを仕掛けてくると予想されるので、それが決まるかも注目です。
・Alabama Offense vs Michigan Defense
鍵となるのは、Jalen Milroeのランです。マンパワーでは、Michiganの方が上回ると思われるので、Alabamaは、Milroeのランで流れを作る必要があります。また、それに対して、Michiganがどのような対策をしてくるかも注目です。因みに、SECCでのGeorgia大は、QB Spyを置くこと(場合によっては2人)で対応していました。
予想 27-20 Michigan