昨日行われたTour de Suisse 第5ステージでの落車により、Gino Mäder選手が亡くなりました。
🙏🏻 Gino, thank you for the light, the joy, and the laughs you brought us all, we will miss you as a rider and as a person.
— Team Bahrain Victorious (@BHRVictorious) 2023年6月16日
❤️ Today and every day, we ride for you, Gino.
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1. Gino Mäder選手のキャリア
彼は、1997年1月4日生まれで、スイスのフラヴェルに生まれました。
2018年のTour of Hainanをきっかけに、WTからオファーを受けるようになりました。
NTT時代を経て、2021年から今のバーレーンに加入しました。
するといきなり、2021年のGiro d'Italiaでステージ優勝をあげました。
また、続くTour of Suisseでもステージ優勝、La Vuelta Espanaでも総合5位と徐々に実力をつけていきました。
そして、今季もParis Niceで総合5位と結果を残していました。
私自身も、将来のGCレーサーとして、注目していました。
また、彼は、環境問題への活動も行っています。
2021年のブエルタの際には、自分より後にゴールした人数 x 1ユーロ分を環境団体に寄付しました。
2. Tour de Suisse 第5ステージ
6月15日に行われた第5ステージのアルプラ峠の下りで悲劇が起きました。
バーレーン・ヴィクトリアスのGino Mäder選手が、ダウンヒル中に落車し、10m近く落下しました。
Official Statement from TdS Organisation regarding the crashes of @maedergino and @MagnusSheffield
— Tour de Suisse (@tds) 2023年6月15日
We wish both of them all the best!!
.@BHRVictorious @INEOSGrenadiers pic.twitter.com/T9RmdT1HH7
ツール・ド・スイスでマグナス・シェフィールドとジーノ・メーダーが転落して見つかった場所、状況はこんなだったらしい。これはかなりの高さから落ちているので、特に駆け付けた医師、医療チームらの呼びかけにも答えなかったというメーダーの状態が心配だ...。
— てんげるまん🌀tengelmam (@fcbliebe1900) 2023年6月15日
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一緒に落車したイネオスのMagnus Sheffield選手は、落下したものの意識ははっきりしていて、脳震盪と打撲と診断されました。
しかしGino Mäder選手は、落車から2分後に、水の中で脈がない状態でチームドクターに発見されました。
その後、一時は蘇生措置により心肺は戻りヘリコプターで搬送されたものの、現地6月16日午前11時30分に亡くなりました。
このような悲惨な落車が起こった原因は、幾つか考えられます。
・ゴールまで残り10kmということもあり、リスク承知で全開で下っていた
・周りが開けていてテクニカルな下りではないため、スピードが出やすかった
など
実際に、先頭を走っていたJuan Ayuso選手は、この下りで100km/h以上のスピードを出していました。
もし、これに近いようなスピードを出していれば、落車した際、相当なダメージやかなりの距離を吹き飛ばされることになります。
3. このような悲劇から
— Sadhbh O'Shea (@SadhbhOS) 2023年6月16日
Such heart-breaking scenes at the Tour de Suisse today. I hope that everybody gets the time they need to process this.
The cycling community is relatively small and this news will no doubt touch everyone. It's just so terribly sad.
Photos by Getty pic.twitter.com/iSBA4POnmO
このような悲劇を再び生み出さないためには、ルールを強化することももちろんですが、選手の安全性も考えていかなければいけません。
みんな悲しんでいるけど、選手が装着プロテクターや自転車の安全装置に関する話しには一向に繋がっていかない…。Netflixで配信されているドキュメンタリーでも関係者からロードレースが持つリスクを美化するコメントが聞かれた。ロードレース界はある意味で選手の死を受け入れているのかもしれない。
— Osamu Kurimura / 栗村修 (@osamukurimura) 2023年6月16日
上記の栗村さんのツイートが、物語っていますが、自転車競技(主にロード)では、安全面に対する対策が、他のスポーツや時代の変化に比べるとだいぶ遅れています。
プロテクターをつけるなど、"選手の安全"というものに対しての対策を進めていくべきだと考えています。
NFLやF1といった、自転車競技と同じように、かなりの危険が伴うスポーツで例を挙げます。
このようなスポーツでは、死亡事故や怪我による後遺症といった問題が話題になりました。
その際に、両スポーツとも強固な対策を取り、怪我や死亡を防ぐための措置を講じました。
これでは、競技の質が落ちるのではないかという意見も多かったものの、これにより効果は高く出ていて、今ではそのような意見は聞かれません。
このように、自転車ロードでも対策を講じるべきではないでしょうか。
競技の質やスピードが落ちてしまうといつまでも言っていては、"選手の安全"は一生守られません。
死亡事故や大怪我の件数も、一向に減りません。
何かを犠牲にしなければ、何かを得ることはできません。
このような言葉はあまり好きではありませんが、
この事故を無駄にするわけにはいきません。
心よりご冥福をお祈りします🙏
R.I.P Gino Mäder🙏