R.I.P Gino Mäder

 

 

 

昨日行われたTour de Suisse 5ステージでの落車により、Gino Mäder選手が亡くなりました。

 

 

 

 

 

 

1. Gino Mäder選手のキャリア

 

彼は、199714日生まれで、スイスのフラヴェルに生まれました。



2018年のTour of Hainanをきっかけに、WTからオファーを受けるようになりました。

 

 

NTT時代を経て、2021年から今のバーレーンに加入しました。

 

 

するといきなり、2021年のGiro d'Italiaでステージ優勝をあげました。

 

 

また、続くTour of Suisseでもステージ優勝、La Vuelta Espanaでも総合5と徐々に実力をつけていきました。

 

 

そして、今季もParis Niceで総合5位と結果を残していました。

 

 

 

私自身も、将来のGCレーサーとして、注目していました。

 



また、彼は、環境問題への活動も行っています。

 

2021年のブエルタの際には、自分より後にゴールした人数 x 1ユーロ分を環境団体に寄付しました。

 

 

 

2. Tour de Suisse 5ステージ

 

615日に行われた第5ステージのアルプラ峠の下りで悲劇が起きました。

 

 

バーレーン・ヴィクトリアスGino Mäder選手が、ダウンヒル中に落車し、10m近く落下しました。

 

 

 

 

一緒に落車したイネオスのMagnus Sheffield選手は、落下したものの意識ははっきりしていて、脳震盪と打撲と診断されました。

 

 

しかしGino Mäder選手は、落車から2分後に、水の中で脈がない状態でチームドクターに発見されました。

 

その後、一時は蘇生措置により心肺は戻りヘリコプターで搬送されたものの、現地616日午前1130分に亡くなりました。

 

 

 

 


このような悲惨な落車が起こった原因は、幾つか考えられます。

 

・ゴールまで残り10kmということもあり、リスク承知で全開で下っていた

 

・周りが開けていてテクニカルな下りではないため、スピードが出やすかった

 

など

 

実際に、先頭を走っていたJuan Ayuso選手は、この下りで100km/h以上のスピードを出していました。

 

もし、これに近いようなスピードを出していれば、落車した際、相当なダメージやかなりの距離を吹き飛ばされることになります。

 

 

 

3. このような悲劇から

 

 

このような悲劇を再び生み出さないためには、ルールを強化することももちろんですが、選手の安全性も考えていかなければいけません。

 



 

上記の栗村さんのツイートが、物語っていますが、自転車競技(主にロード)では、安全面に対する対策が、他のスポーツや時代の変化に比べるとだいぶ遅れています。

 

プロテクターをつけるなど、"選手の安全"というものに対しての対策を進めていくべきだと考えています。

 

 

 

 

NFLF1といった、自転車競技と同じように、かなりの危険が伴うスポーツで例を挙げます。

 

このようなスポーツでは、死亡事故や怪我による後遺症といった問題が話題になりました。

 

その際に、両スポーツとも強固な対策を取り、怪我や死亡を防ぐための措置を講じました。

 

これでは、競技の質が落ちるのではないかという意見も多かったものの、これにより効果は高く出ていて、今ではそのような意見は聞かれません。

 

 

 

このように、自転車ロードでも対策を講じるべきではないでしょうか。

 

競技の質やスピードが落ちてしまうといつまでも言っていては、"選手の安全"は一生守られません。

 

死亡事故や大怪我の件数も、一向に減りません。

 

何かを犠牲にしなければ、何かを得ることはできません。

 

このような言葉はあまり好きではありませんが、

この事故を無駄にするわけにはいきません。

 

 

 

 

 

心よりご冥福をお祈りします🙏

 

 

R.I.P Gino Mäder🙏